愛犬と共にキャンプに行く機会があるキャンパーさんは、様々な点に注意しなければなりません。
安全対策や快適に過ごすための工夫なども行うべきですが、「ノミ、ダニ対策」もしっかりと行う必要があります。
寄生されてしまうとその後の生活にも支障が出てしまうので、キャンプに行く際には必ず対策を講じておきたいところです。
この記事では、そんな「愛犬とのキャンプで注意すべきノミ、ダニ問題とその対策」について解説していきたいと思います。
キャンプ場には一年中ノミやダニが生息している
まずは、簡単にノミとダニとはどんな生き物なのか解説していきます。
ノミとは
ノミは、日本に約80種類も生息しているとされています。
キャンプ場の草むらなどにいて、愛犬が通った際に被毛に付いてしまいます。
体長は約2㎜程度で、人間の目線の高さからは目視することはなかなかできません。
主に春~秋に発生しますが、数は少なくなりますが冬にも活動すると言われています。
一度犬の被毛の中に棲みついてしまうと、そこで繁殖をし増えていってしまうのです。
ダニとは
ダニもキャンプ場に数多く存在します。
特に気を付けるべきは「マダニ」です。
屋外に生息しているので、キャンプ場にも確実にいると思っておいて良いでしょう。
ノミと同じように春~秋にかけて活発に活動し、冬もノミと同じように完全にいなくなるわけではありません。
体長は3㎜程度で、一度被毛の中に入り込んでしまうと、皮膚に口を突き刺して吸血します。
なぜマダニが危険なのかと言うと、「ウイルスや細菌を保有していることが多いから」です。
吸血されているのを発見しても無理に引っ張ってはいけません。
皮膚にダニの口が残ってしまうと、皮膚病につながる可能性があるからです。
というわけで、動物病院で診てもらわなくてはいけなくなり、キャンプどころではなくなってしまうのです。
こういったリスクを避けるためにも「キャンプ場に行くならば必ずノミやダニ対策」は必要なのです。
ノミやダニに犬が寄生されると起こる症状
ノミやダニに吸血されてしまうと、以下の様な症状が引き起こされます。
飼い主さんはキャンプに行く前に必ず覚えておきましょう。
アレルギー性皮膚炎
ノミに咬まれてしまうと、その箇所が皮膚炎を起こしてしまいます。
また、咬まれた箇所以外にもかゆみが出てしまうこともあり、ひどい場合には炎症が起きます。
次に示すような仕草や症状が出ていたら、ノミに咬まれている可能性が疑われます。
- いつもよりも顔や体を掻くことが多い
- 体を自分の歯で咬むようになった
- 地面に自分の体をこすりつけるようになった
- 皮膚のいたるところに炎症が起きている
- 毛が薄くなった部分がある
貧血
1匹や2匹に咬まれるだけでは起こりませんが、大量のノミに吸血されると貧血を起こす犬もいます。
愛犬が草むらに顔を突っ込んだ際にノミやダニが付き、そのまま目の周りに付いていたり、お腹周りや腰回りに棲みつきます。
毛の長い犬種などは特に気をつけて観察してあげましょう。
マダニの保有するウイルスや細菌に注意
マダニは、咬まれること自体にもリスクがありますが、マダニが保有するウイルスや細菌にはさらに注意が必要です。
媒介されたバベシア原虫が赤血球を破壊する「犬バベシア症」を発症してしまう可能性もあります。
食欲不振や貧血を引き起こすだけでなく、発熱や黄疸といった症状が現れ、最悪の場合は多臓器不全で命を落とす可能性もあるのです。
キャンプでのノミ、ダニ対策
愛犬の健康を守りたい飼い主さんにとって、ノミやダニはとても怖い存在ですが、それを恐れていてはいつまでもキャンプに行くことは出来ません。
春~秋の季節はとても多く、冬であってもゼロではないので、飼い主さんにできることとしては、「ノミやダニ対策を講じて愛犬に付着しないようにすること」です。
対策法を知って、実際に行ってみましょう。
動物病院で予防薬を投与してもらう
多くの飼い主さんが動物病院で、ノミやマダニの予防薬を処方してもらっているのではないでしょうか。
ご存知の通り、定期的にこの予防薬を投与していれば、卵や幼虫の孵化、成長を止め、駆除することが可能です。
動物病院によっても違いますが、金額的にも2000円程度で行ってもらえるので、非常におすすめの予防法であると言えるでしょう。
忌避効果のある成分を含む首輪を付けたり、スプレーをかける
近年では、様々なノミやマダニに対する忌避効果のある犬用グッズが販売されています。
ユーカリやシトロネラ、ティーツリー、ニームエキスなど間違って犬が舐めても大丈夫な天然成分で防虫効果を発揮してくれます。
スプレータイプの商品もありますし、忌避効果のある首輪などもあります。
ただし注意していただきたいのが、天然成分のティーツリーオイルなどで虫除けを手作りする場合に誤った方法で使用してしまうことです。
間違った方法で使用してしまうと、愛犬に中毒症状が出てしまうことがあるのです。
そういったことのないように、十分に気をつけてあげてくださいね。
犬に服を着せる
完全な対策とまではいきませんが、愛犬に服を着せるといった方法もある程度対策としては有効です。
ノミやマダニはお腹周りや背中などにつきやすいので、服を着せることで防げる場合があります。
ただし、長時間同じ服を着せていると、付いたノミやマダニなどが徐々に移動し、結局愛犬の被毛に辿り着いてしまう可能性もあります。
定期的に外側だけでなく、服の中も意識してチェックしてあげましょう。
愛犬に靴を履かせる
愛犬が草むらを歩くとき、足元にノミやマダニが付いてしまうケースもあります。
犬用の靴を履かせることで、直接ノミやマダニ対策になります。
キャンプ場では、小石や木の枝など、肉球を傷つけてしまうリスクもありますし、靴を履かせるという選択肢は非常に良い方法であると言えます。
夏場などは、地面がかなり熱くなり、肉球をやけどしてしまう可能性もありますが、靴を履かせることでこれを防ぐことができます。
まさに一石二鳥なので、ぜひ愛犬に靴を履かせてあげましょう。
苦手な子が多いのでまずは家で慣らしてあげてくださいね。
どうしても嫌な子にはストレスになるので、無理に履かせるのはやめておきましょう。
対策を講じてもノミやダニが愛犬に付いてしまったら
前述したノミ・ダニ対策を講じたとしても、100%防げるわけではありません。
帰宅した後にノミやダニが付着していることに気が付くケースもあるはずです。
先程も書いた通り、飼い主さん自身が無理に引き抜こうとするのは危険です。
皮膚に刺さっている部分が残ってしまい、マダニの体液が愛犬の体内に逆流してしまう可能性もあります。
そのため、発見しても無理に引き抜こうとせず、速やかに動物病院を受診するようにしましょう。
ノミ取りシャンプーで取り除いたり、皮膚に垂らして駆除するような方法で対応してくれるでしょう。
まとめ
今回は、「愛犬とのキャンプで注意すべきノミ、ダニ問題とその対策」について解説してきました。
- 動物病院で予防薬を投与してもらう
- 忌避効果のある成分を含む首輪を付けたり、スプレーをかける
- 愛犬に服を着せる
- 愛犬に靴を履かせる
愛犬とのキャンプは非常に楽しいものですが、油断しているとノミやマダニが被毛に付着し、皮膚に咬み付いてしまう可能性もあります。
特にマダニに咬まれてしまうと、キャンプを中止しなければならないほど愛犬の健康に影響が及んでしまうので、「大丈夫だろう」と油断せず、しっかりと対策を講じることが大切です。
もしマダニを見つけたときには、無理に取ると皮膚病に繋がる可能性があるので、速やかに動物病院で診てもらいましょう。
きちんと対策をとって、愛犬とのキャンプが楽しい思い出となりますように!