愛犬とのキャンプはとても楽しいですよね。
楽しそうに過ごす愛犬を見たり、ゆったりした時間を一緒に過ごしたりすることで、幸せを感じられるものです。
しかし、キャンプという「非日常」では、思わぬ事態に発展してしまうこともあります。
愛犬が下痢を起こしてしまうのも、そんな思わぬ事態の1つです。
キャンプで犬は下痢になりやすいと言われています。
せっかくのキャンプで愛犬が体調不良になってしまうのは避けたいですよね。
そこでこの記事では、そんな「キャンプで愛犬が下痢になってしまうケースと、症状が出た際の対処法や予防法」について解説していきたいと思います。
キャンプで愛犬が下痢になる理由
それでは、実際にキャンプ中に犬が下痢を起こしてしまう原因を具体的にいくつか挙げてみましょう。
原因を知ることで、その対処法も見えてくるはずです。
タマネギや生肉などの盗み食い
キャンプと言えば、「バーベキュー」ですよね。
お肉や野菜、きのこ、シーフードなど、好みの食材を鉄板や網で焼いて食べれば、最高の時間を過ごすことができます。
しかし、キャンプで行うバーベキューでは、犬もすぐ近くにいる可能性が高くなります。
楽しさで注意力が散漫になっているので、愛犬を見ていない時間帯も出てきてしまいます。
そして、そういった時に「盗み食い」をしてしまう可能性が高まるのです。
たまねぎや生肉など、バーベキューには犬にとって毒となる可能性が高い食材が多く並びます。
加熱済みの食材であれば、まだ危険性は少ない(タマネギは加熱しても危険)ですが、生で食べてしまうとその影響はとても大きくなってしまいます。
タマネギを食べてしまうと、「タマネギ中毒」となってしまいます。
体重1kgに対して約20gが致死量の目安となっています。
それゆえに、小型犬は特に要注意ですし、大型犬も勢いよく食べてしまうとかなり危険です。
タマネギを食べることで、下痢を引き起こしてしまいますし、他にも嘔吐や血尿、発熱、呼吸困難などを引き起こす可能性もあるのです。
これに対して生肉は、「新鮮であれば」という条件付きで少量であれば食べても大丈夫です。
良質なタンパク質を含んでいるため、普段から実際に生肉を愛犬にあげている飼い主さんもいます。
しかし、キャンプは野外であり、温度管理が非常に難しい環境です。
10℃以下を保っているクーラーボックスから取り出してすぐに焼けば問題ありませんが、テーブルの上に置いて少しずつ焼いていると、時間の経過と共に細菌が増えます。
それでもごく少量であれば大きな問題には発展しないケースがほとんどですが、大抵の場合は人間が食べるようにカットされている肉の塊をそのまま全部食べてしまうので、下痢などを引き起こす可能性が高くなってしまいます。
特に小型犬や老犬などは注意が必要です。
よく言われるネギやにんにく、チョコレートの他にもぶどうやアルコール、生のパン生地、生のジャガイモや生のお米なども下痢の症状を引き起こしてしまうので、注意しましょう。
命の危険もあるため、犬のことをあまり知らないキャンパーさんと行くときには”食べてはいけないもの”を共有しておくのも重要ですね。
焼いた食材でも胃腸に負担がかかる
バーベキューなどをしていると、すぐそばにいる愛犬が欲しそうに寄ってきます。
この時、「焼いている食材なら大丈夫か」と思ってあげてしまう飼い主さんがいますが、これもNGです。
なぜならば、もしタレやコショウといった調味料が付いている場合、犬の胃腸に非常に大きな負担となってしまうからです。
上手に消化できずに下痢を起こしてしまうケースも意外に多いのです。
水遊びによってお腹が冷える
川や海、湖の近くのキャンプ場であれば、愛犬に水遊びをさせたくなりますよね。
しかし、長時間遊ばせてしまうと、愛犬のお腹は冷えてしまいます。
しっかりとバスタオルで拭いたとしても、すぐには完全に乾きませんから、体温が下がり下痢を引き起こしてしまうのです。
余談ですが、「水中毒」というものを知っていますか?
知らない間に大量の水を摂取してしまい、ミネラルバランスが大きく崩れるのです。
そうすると、神経(脳)・筋の細胞が正常に働けなくなるのです。
症状としては、嘔吐やよだれを垂らすといったものです。
短時間に大量に摂取することで起こるものなので、川遊びでは特に注意してあげてください。
川遊びをするときには、こまめに休憩をとったり、犬用の経口補水液を持参したりすることが大切です。
環境の変化によるストレス
外出するのが好きな子もそうでない子も、「非日常」というものはストレスの原因になるものです。
人間がそうであるように、外出が好きだからと行ってどこでも安心して楽しめるものではありません。
それぞれの子に、苦手な音やニオイ、光、気温などがあります。
また初めて訪れる場所は、見知らぬ人や犬といった刺激もあります。
そういったことを知らずに楽しそうにしてるな、と思い過ごしてキャンプに夢中になっていると飼い主の知らぬ間に愛犬が不安やストレスにさらされている場合があります。
そのストレスは胃腸に悪影響を及ぼし、下痢の症状として表れるのです。
愛犬が下痢になった時
もしもキャンプ中に愛犬が下痢になってしまった場合、飼い主さんとしてはどうしたら良いのでしょう。
様子を見る
下痢のみの症状で元気で食欲があれば、緊急性は低いでしょう。
犬の下痢はよくあるもので、1〜2日で治まることが多いです。
しかし、3日以上続いたり、日に何度下痢をしたり、他の症状があったりと少しでもいつもと違う場合や気になる点があれば、かかりつけ医に行きましょう。
病院へ行く
けいれんや血便を起こしていたり、意識を失っていたりした場合には、かかりつけの動物病院かキャンプ場近くの病院に連絡して診てもらう必要があります。
呼吸や脈拍を確認し、窒息しないように呼吸を確保して至急連れて行きましょう。
どんな下痢だったのか写真を撮ったり、何時にどれぐらいか詳しくメモしたりしておくのも大切です。
下痢の原因を特定する
また、できる限り「下痢になった原因」を特定しましょう。
周辺に食べた後の食材が転がっていないかを確認し、犬の口の中をチェック(食べかすやニオイ)、他にも体が冷えるようなアクティビティをしていないか思い出しましょう。
獣医さんへも伝えられますし、次回からそのようなことがないように徹底することができます。
愛犬が下痢にならないための予防法
キャンプに愛犬を連れていく際には、「下痢の原因となるものを遠ざけること」が予防の基本となります。
食材から遠ざける
特に気を付けるべきは、やはり調理している場所に愛犬を入れさせないことです。
「犬だけ遠い場所に繋いでおくのはかわいそう」と思う人もいるかもしれません。
しかし、あくまでも生肉やタマネギといった食材から遠ざけることが必要なだけなので、完全に遠ざける必要はありません。
例えば、ドッグアンカーとリードの長さを計算して、テーブルから1メートル離れた場所までは来れるようにします。
そうすれば、愛犬が届かない位置に食材を置くスペースを確保しつつ、愛犬を一人ぼっちにしないようにできます。
近年流行しているロースタイルキャンプの場合、必然的に食材が低い位置になってしまう可能性もあります。
そこは工夫をして、念のために台などを用意し高めの場所に食材を置くようにしましょう。
できるだけ体を冷やさない
水遊びをした後に体を冷やさないようにするためには、「ドライヤーやファンヒーター」を用意するのもおすすめです。
サブバッテリーやポータブル電源などを用意し、ドライヤーやファンヒーターなどを利用できる環境にしておければ、水遊びした後も愛犬の身体をすぐに乾かしたり温めてあげたりできるはずです。
乾かした後に着る用の服やペット用の暖房器具、あたたかい毛布など様々な方法があるので、愛犬に合わせて持参するようにしましょう。
落ち着ける場所を作る
初めての土地で刺激を受けてしまう子には、落ち着ける環境を作ってあげましょう。
いつも使っているクレートにお気に入りのタオルケットを敷いてあげたり、クレートに目隠しをして一人の場所を作ってあげたりするなど、愛犬に合った工夫をしてみてください。
他には、いつも遊ぶおもちゃやガムなど夢中になれるものがあると良いですね。
出先だから特別!といつも以上におやつを与え過ぎると消化不良になってしまうので、その点には気をつけてくださいね。
愛犬の居場所は、人通りの少なく、日光が直接当たらない場所、音がうるさくない場所にしてあげましょう。
まとめ
今回は、「キャンプで愛犬が下痢になってしまう原因と症状が出た際の対処法や予防法」について解説してきました。
- タマネギや生肉などを盗み食い
- 焼いた食材でも胃腸に負担がかかる
- 水遊びによってお腹が冷える
- 環境の変化によるストレス
これらが原因となり犬は下痢を起こします。
下痢が起こったときには、緊急性のある場合はすぐに動物病院に向かうようにしましょう。
緊急性のない場合にもいつも以上に愛犬を観察するようにし、気になる点があったらかかりつけ医に診てもらうか、電話で症状を伝えて病院へ行くべきか判断してもらいましょう。
そういったことにならないための予防策は以下の通り。
- 食材から遠ざける
- できるだけ体を冷やさない
- 落ち着ける場所を作る
キャンプはとても楽しいものですが、人間も犬も安全性を確保しながら楽しみたいですよね。
ぜひこれらのポイントに注意しながら、キャンプを楽しんでみてください!