
この記事では、これから登山を始めたいと思っている方に向けて、登山靴を選ぶ時のポイントをできるだけわかりやすく解説しています。
YouTubeと連動しているので、動画で見たい方は下記の動画をどうぞ!

イヌくん。
前回、登山の持ち物で最も大事なのは登山靴って話したの覚えてるかな?
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うん、スニーカーじゃなくてちゃんとした登山用のものを選ぶ方がいいんだよね!

うん、その通り。
正直なところ、スニーカーでも登れてしまう山はもちろんあるよ。でも登山靴の方が普段の靴と比べて怪我をしにくい構造でできているから、少し歩きにくくても登山用の靴で歩くことってとても大切なんだ。
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歩きにくいのに、怪我をしにくいんだね?
登山靴って一体どんな構造でできているんだろう?

うん、今回はその辺りも含めて説明していくよ。
今回のテーマはこちら。
『登山で最重要のひとつ!登山靴を選ぶポイント』。
身体や荷物の重さを支えながら確実に前に進むためには、しっかりとその人の足や山の状況に合った靴を選ぶ必要があるよ。
今回、伝えたいことは以下の通り。
登山靴の種類について(アルパイン・クライミングを除く)
→ポイント:ソールの硬さ、履き口の高さ、防水性
・フィッティングのコツ
正しいサイズの選びかた・正しい靴ひもの結びかた
→ポイント:必ず実際に履いてみて選ぶこと
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登山靴の種類、あとフィッティングについてだね!お店に行って選ぶ前に、知っておいた方が良さそうだ!

今回は、厳冬期登山用のアルパインシューズや、岩登りの時に使用するクライミングシューズのような特別な技術を要する登山に必要な靴ではなく、あくまで、山の斜面を歩行することが主な目的の登山靴に絞って解説していきます。
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はい!お願いします!
登山靴について

まず最初に登山靴のしくみについて説明するよ。
まず、多くの登山靴は以下のような構造になっているよ。
登山靴の構造

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ちゃんと各部分に役割があったんだ!

そうだよ。これだけでもスニーカーとは根本から作りが違うことがわかるよね。
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うん・・・。ほんとだね・・・。

起伏の多い山道では、岩などで靴の表面が擦れる場面も多いため、表面の素材は硬く耐久性の高いものを使用していることが多いよ。


昔ながらの登山靴と言えば、このように全面が皮革製のもの。クラシカルで無骨なデザインに憧れる人も多いけど、オールレザーが故に重さが気になるところ。


でも近年は、レザーと化学繊維を組み合わせてできた登山靴も多く、靴自体の重さもとても軽くなってきているため、後者の方が主流となりつつあるよ。
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そうだね、見た目がどんなにカッコよくても快適に歩けないとツライしね。
登山靴の防水性について

そして、この基本的な機能性以外にも登山靴は防水性があることが大切だよ。
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靴はレインウェアでは覆いきれないもんね!

前回も触れたけど、足が湿った状態で歩くと肌がふやけて靴ずれなどが起きやすくなってしまう。雨が降ってきてしまった時でも安心して歩くためにも、防水性は必須だと言えるよ。
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そうだね。靴がグショグショの状態で登山は・・・ちょっときつい・・・
(雨ではなかったとは言え、スニーカーで登ったボクが恥ずかしくなってきた・・・)

少し価格が高くなるけど、ゴアテックス製のものは防水透湿性能に優れているから、雨でも靴の中がむれにくく快適なまま歩くことができるよ。
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なるほど!登山では足がむれないことが大事って言ってたもんね!
★GORE-TEX(ゴアテックス)
アメリカのWLゴア&アソシエイツ社製の防水透湿素材。(水蒸気は通すが雨は通さない)
登山靴とスニーカーの決定的な違い

次に説明する靴底や履き口の高さについては、スニーカーとは決定的に違う点があるよ。
靴底部分の違い

まずは靴底部分について。
一般的な登山靴には靴底部分にシャンクと呼ばれるプラスチックや鉄板の芯材が入っているよ。


シャンクにも軟らかめのものから硬いものまで種類があり、その登山の用途によって使い分けるよ。
・軟らかめ
スニーカーに近い感覚で履ける為、歩きやすい。
キャンプ、よく整備された自然歩道のハイキングなど
・やや硬め
ソールが適度に曲がるため、汎用性が高い。
日帰り登山、2~3000m級登山、短時間の岩場歩きなど
・硬め
岩場や凹凸の多い道でも安定して歩行が可能。
2000〜3000m級登山、長時間の重装備での岩場歩き、雪渓歩きなど
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ハイキングや舗装された道を歩くときは柔らかめのソールで、岩場や重い荷物を伴う登山には硬めのソールがいいんだね!
硬いと歩きにくそうで、危ないような気がするけど、どうして硬いソールの必要があるんだろう?

ソール部分が硬い登山靴は、慣れないうちは歩きにくく感じると思うけど、ソールが硬いことで爪先部分だけでなく足裏全体に体重が乗り、ゴツゴツとした岩場でも安定して歩行することができる。
また、ソールの溝の凹凸も深めに作られており、凹凸の多い道でも高いグリップ性を発揮してくれるんだ。
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なるほどー!

そして、硬いソールは重い荷物でも支えられるように、ソール自体の耐久性も高くなっているよ。
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そっか、でも僕みたいな初心者にはそこまでのものは必要なさそうだね。

そうかもしれないね。
靴底の硬い登山靴は爪先部分があまり曲がらず、地面を蹴り出しにくい。なので、平坦な道や整備された登山道を歩くときは、ある程度ソールが曲がる靴の方が歩きやすいと言えるよ。
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なるほど!ソールの硬さの違いにはそんな理由があったんだね。
履き口部分の高さの違い

次に、履き口部分の高さについて。大きく分けるとローカット・ミッドカット・ハイカットに分かれる。


ローカットのものは足首周りが空いている分だけ、軽快な足運びが可能となる。でも、その分だけ足首を捻ったときのダメージを受けやすくなっているよ。なので、キャンプなどの外遊びやよく整備された平坦な自然歩道を歩くようなハイキング程度での使用が向いていると言えるよ。
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そっか、足首が守られているかどうかがポイントなんだね。

うん、多くの場合ミッドカットからハイカットのものを履いている人が多いと思うけど、それはしっかりと足首を包み込み、足を怪我から守るためだと言えるんだ。
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山登りに慣れないうちはちゃんと足を守ってくれる靴の方が安心だな・・・

うん、ミッドカットに比べハイカットのものはサポート力も高く歩行時の安定性も増すけど、その分重量も増え歩きにくさは増す。
長時間の重たい荷物での登山には安定して歩くことのできるハイカットのモデルがおすすめだけど、最初の一足には幅広く使えるミッドカットのモデルが最もおすすめだと思うな。
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そっか、安定性と靴自体の重さのいいところ取りをしているのがミッドカットの登山靴なんだね!

うん、最近では機能性も備えつつ軽量化に成功している物も多いから一概には言えないんだけど、靴を選ぶ時の目安として知っておいてね。
イヌくん、今まで述べたことをまとめると、以下の通りだと言えるよ。
・登山用に設計された登山靴は、スニーカーとは根本的に作りが異なる
・登山靴には防水性があることが大前提
・自分のレベルや目的地の道の状況に適したソールの硬さと履き口(カット)の高さを選ぶことが大切
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わ〜・・・登山靴のこと全然知らないまま買っちゃわなくて良かった!
ボクがこれから行きそうな山のことを考えると、ソールはやや硬めで、ミッドカットぐらいのものが良さそう!

そうだね。
でも行く山によっても状況は色々と変わってくるだろうから、まずは山のことに詳しい登山用品店の店員さんと、実際に履いてみて相談しながら決めるのが一番おすすめだよ。
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そっか、おすすめの靴って人によって様々だもんね。
必ず実際に履いてみて選ぶこと!

大切なのは、登山靴は必ず実際に履いてみて選ぶということ。
まず一番の優先事項は足の形に合った靴かどうか、ということなんだ。普段より大きめのサイズを選ぶ方がいいと言われているけれど、モデルによってもサイズ感は様々。間違ってもブランドやデザインだけで選ばないで欲しいんだ。
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そうなのか。
じゃあ、まずは足に合う靴を色々試してみて、その次にデザイン的にも気に入るものが見つかればラッキー!ぐらいに考えておいた方がいいね。

そうだね、登山靴は決して安い買い物ではないと思うから、しっかりと時間をかけて、多くのブランドの靴を試してみるのがいいと思うよ。
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いろんなお店を回ってみるぐらいが良さそうだ!

登山を本格的にやるようになってくると靴も山によって使い分けて履くことになってくるだろうから、その時の自分のレベルに合わせて選べばいいと思うよ。
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わぁ・・・ボクもそんなふうになれたらいいなぁ!
フィッティングのコツについて

次にフィッティングのコツについて説明していくよ。
お店で履いてサイズ感もちょうど良いと思ったのに、実際に山で履いてみると足が痛くなってしまった、なんてことは多かれ少なかれよくある話。
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せっかく買ったのに、そんなことになっちゃったら残念だよなぁ・・・

多くの場合、試し履きの段階で入念に確認すれば、それは防ぐことはできるはずだよ。
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試し履きの段階で注意するべきことって具体的にどんなことがあるの?

きちんと専門の店員さんに接客してもらったのなら、ミスは起こらないはずだけど、
注意すべきポイントは、以下の通り。
- 必ず厚みのある登山用の靴下と一緒に履く。
- 足形測定器で正しい足の大きさを計測する。
- 正しく靴ひもを締めること。
- 傾斜を何度も上り下りして靴に足が当たっていないか入念に確認。
- 必ず両足とも履くこと。
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これを自分も知った上で接客してもらうのとそうじゃないのとでは、全然違いそうだ!

では、順番に解説していくね。
まず最初に、靴下は必ず厚みのある登山用のものを履くこと。
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登山の時と同じ状況がいいってことだね!

うん、登山用品店には試し履き用の靴下がおいてあることが多いけど、心配な人はあらかじめ自分で用意しておく方が良いよ。
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ふむふむ。

次に、足型測定器で足のサイズを測ってもらうことも大切。足の長さだけでなく、甲の高さや幅もわかると足に合う靴の絞り込みもしやすいからね。
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あー、足の幅とかって3Eとか2Eとかいうやつだね!

うん、他にも靴の中敷きを取り出し、実際に足に当ててみて目視でサイズ感をみることもできるよ。
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そうなんだ!

中敷きと足のかかと部分を合わせて、爪先部分に指1本分程度の余裕があり、横幅も大きくはみ出していなければOK。
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わざわざ靴ひもを締めなくてもわかるんだね。

ある程度靴の絞り込みができたら、次は実際に足を入れてみる。
履き方としては、靴ひもを下まで全部緩め、しゃがんだ状態で足を入れ、かかと側にトントンと足を寄せる。そして、靴を斜めにした状態のまま、靴ひもを締める。甲部分は都度ひもを引っ張り出しながらきつめに締めあげ、最後の足首部分はある程度の余裕を持って締める程度でOK。
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ガッチガチに締めない方がいいんだ!

うん、血が止まらない程度にね。
そしてここでのポイントは爪先が靴の内側ににあたらずある程度の余裕があることだよ。甲部分のひもの結び方が甘いと、どれだけサイズがあっていても、歩行中に足が靴の中で動いて足を痛めかねないよ。
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なるほど!靴自体のサイズだけじゃなくて、靴ひもの締め方も大事なんだね。登山の時に靴ひもを結ぶのは自分だし、ちゃんとした締め方を知っておくことは必須だね!

他に、大抵の登山靴コーナーには実際の山の斜面に見立てた傾斜がおいてあるので、そこを何度も歩いてみることも大事。
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そっか、実際の山の中を想定して歩くことが大事なんだね。

1、2回歩くだけではなく、何度も歩いて靴の中で当たっている部分がないか確認する必要があるよ。ちなみに、試し履きをする時は必ず両足とも履くようにしてね。
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足のサイズは左右で微妙に違うこともあるっていうよね。

うん、左右でどうしてもフィット感が揃わなくても、別売のインソールを入れることで解決できることもあるからね。
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なるほど!
フィッティングのコツについて、よくわかりました!
まとめ

イヌくん、登山靴の種類とフィッティングについては以上。
要点をまとめると、以下の通り。
- 防水性があり、ソールの硬さと履き口(カット)の高さが自分のレベルや目的の山に適したものであること。
- 正しいフィッティング方法のもと、第一に自分の足の形に合ったものを選ぶこと。(色・デザイン性で選ばないこと)
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登山靴にも多くの種類があって、いく山やその人の登山スタイルによって適した靴がそれぞれあること、よくわかりました。

うん、それを理解した上で、是非時間をかけて自分にぴったりな靴を見つけて欲しいな。
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はい!なんか登山靴コーナーに行っても迷わずに選べるような気がしてきたー!

足に合うこと、デザイン性、そして価格。このバランスが全部揃った靴が見つかるといいね。
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この際、価格面はあまり惜しまずに選ぶのも・・・アリかもしれないっ!

ははは、まぁ、無理はせずにね。
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ヤギ先生、次回の内容は何ですか!

イヌくん、なんかやる気だね。
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へへ、早く登山用品店に行って色々買いたくなってきちゃって!

次回も登山の持ち物の中でもとても重要なもののひとつ、ザックについて説明するよ。
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おお、ザックについてかぁ!

登山靴と同じようにザックにもいろんな種類があるから、自分に適したものを選ぶためにも、是非参考にして欲しいな。
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わかりました!次回もよろしくお願いします!

では、今日はここまで。
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ありがとうございました!