キャンプの醍醐味と言えば、バーベキューや焚火、川遊びや釣りなどのアクティビティなどが挙げられますが、「愛犬と共に自然の中を散歩したり、テント周りでのんびりと過ごす」というキャンプもおすすめです。
しかし、楽しむと言っても、愛犬が快適に過ごすための準備はしっかりと行わなければなりません。
ドッグコットやドッグアンカー、リード、暑さ対策、寒さ対策、虫対策など、考えなければならないことは多いと言えます。
そんな中、今回犬連れキャンプの持ち物として提案したいものが、「犬の寝袋」です。
「え?キャンプでは犬に寝袋で寝かせるの?」と驚く人もいるかと思いますが、愛犬に快適に安心して寝てもらうための方法の一つとしておすすめです。
この記事では、そんな「キャンプの際に愛犬の寝袋は必要なのか?」という疑問や「寝袋で寝てくれない時の対処法」について解説していきたいと思います。
寝袋で愛犬を寝かせるメリット
冒頭で「愛犬に寝袋で寝てもらう」と言いましたが、意外と「そんなの必要ない」と感じる飼い主さんは多いと言えます。
実際、キャンプに寝袋を持っていく飼い主さんは少数はではないでしょうか。
次に示すように、犬用の寝袋を活用せずに寝かせる方法は多いです。
- ドッグコットに寝かせる
- 自分の寝袋の中で一緒に寝る(小型犬の場合)
- テント内の開いているスペースにクッションなどを置き、そこで寝かせる
- クレートなどの中で寝かせる
しかし、寝袋は愛犬により深く安心して寝てもらえる最高のアイテムともなり得るのです。
キャンプに行くと愛犬が寝てくれなくて困っているという方は、寝袋も選択肢の一つとして取り入れてみましょう。
紹介したように、さまざまな方法を試して愛犬の睡眠時間を確保するのですが、どうしてここまでして必死に睡眠時間を確保する必要があるのでしょうか。
犬は人よりも睡眠時間が長い
犬は一日の大半を寝て過ごします。
犬種や年齢、持病の有無などによって異なりますが、成犬では人間よりも長い12~15時間ほどの睡眠時間が必要になります。
子犬や老犬は18〜19時間ほどと言われています。
このように多くの時間を寝て過ごす犬たちが、睡眠不足になってしまうとストレスが溜まりやすくなったり、食欲不振や免疫力の低下などが起こったりしてしまうのです。
特に長期間の滞在などによる慢性的な睡眠不足には特に注意が必要です。
たとえ一日だけだとしても大きなストレスになり、体調不良になる子もいるため、様子をよく観察することと睡眠時間を確保できるような環境を作ってあげることを頭に入れてキャンプを楽しみましょう。
落ち着ける空間
キャンプでは、その非日常感によって犬も人間と同じようにテンションが上がり、はしゃいでしまうことが多いです。
その疲れを溜めず、翌朝まで健康な状態を維持するために、睡眠時間を確保する必要があるわけです。
それゆえに、少しでも快適に寝られる環境を作ってあげることが重要となります。
犬用の寝袋は、快適に寝られるために設計されていて、言葉通り「寝るのに適したアイテム」です。
防水透湿性能に優れているものだと、寝袋内の水蒸気や湿気を外に逃がして蒸れを防いで心地良い空間を作ってくれます。
また、犬は本能的に狭くて暗い場所が落ち着くと言われているので、寝袋はそのような習性にも合っています。
防寒対策になる
また、「寒さから守ってくれる」といったメリットもあります。
キャンプ場は自然の中にあるので、夕方から朝方にかけて急激に気温が下がることも多いです。
「冬じゃなければ大丈夫」と思っていても、春先や秋口であっても冬並みに気温が下がることもあります。
犬は寒さに強いというイメージがありますが、犬種や年齢にもよりますし、なにより日中に遊び疲れた状態で寒さにさらされると、体調を崩してしまう可能性が高いです。
暖かく心地良い環境で十分に寝て体力を回復させるために、寝袋が合っているという子も実はいるのです。
愛犬が寝袋に入ってくれないケースも多い
愛犬の睡眠時間確保のために寝袋を使用することは選択肢の一つだということはお分かりいただけたかと思いますが、実は1つ問題が生じる可能性があります。
それは、「せっかく持っていった寝袋で愛犬が寝てくれない」といった問題です。
普段寝ている場所でなければ落ち着いて寝られない子もいるのです。
せっかく寝袋を用意したとしても、その中で寝てくれない可能性もあるということも頭に入れておきましょう。
また、寝袋だけでなく、ドッグコットやクレート、クッションなど、寝るための場所を飼い主さんが用意したとしても、そこに寝てくれない可能性もあるのです。
愛犬に寝袋で寝てもらうための工夫
前述した通り、愛犬は用意した寝袋で寝てくれないことも多いものです。
それゆえに、「寝てもらうための工夫」を行う必要があります。
いくつか挙げてみましょう。
事前に慣れさせておく
絶対にやっておきたい対策が、「自宅で寝袋を使用して愛犬に慣れさせておく」ということです。
自分の匂いが染みついているなど、慣れている場所でなければ寝ない子も多いのです。
買ったばかりの寝袋は嗅いだことのない匂いがするため、警戒して寝てくれない可能性が高まります。
せっかく購入したのですから、キャンプでも実際に使ってもらいたいですよね。
そのために有効な方法が、何度か寝袋を自宅で使用してみるということです。
最初のうちは寝袋で寝ない可能性が高いですが、飼い主さんや愛犬の匂いが染みついたタオルを入れて安心できる場所だと認識させてみたり、お気に入りのおもちゃやおやつを入れて良いことのある場所だと印象づけてみたりして工夫しましょう。
何度も繰り返すことで慣れていき、寝てくれるようになるでしょう。
「くつろぐ場所」として認知してくれるだけでも問題ありません。
キャンプでテントの中にくつろげる場所である寝袋が置いてあれば、自然と寝袋の中で寝始めるはずです。
季節に合った寝袋を用意する
寝袋を用意して、その寝袋に愛犬が慣れていたとしても、その季節にあっていなければ、寝てくれることはないでしょう。
夏場にモフモフの暖かい寝袋を使用すれば、寝心地悪く感じますし、冬場に薄い寝袋を使用してしまっては、愛犬は快適だと感じられないはずです。
そため、飼い主さんとしては「季節に合った寝袋」を用意する必要があると言えるでしょう。
最低でも、「夏用と冬用」の2種類は用意しておきたいところです。
季節に合った寝袋であれば、愛犬がその寝袋で寝てくれる可能性もかなり高まります。
犬用の寝袋といったも、夏用や冬用といった違いだけでなく、素材の違いや形状の違い、シングル、ダブルといった大きさの違いなどもあります。
安い買い物ではありませんので、しっかりと愛犬に合っているかを確認しながら購入しましょう。
落ち着ける場所に設置
「寝袋があればそれで安心」ということもありません。
寝袋を設置する場所を工夫することもとても重要なポイントです。
人通りの多さや音、匂い、光など犬にとって刺激になるものは多く、それは大きなストレスになります。
それゆえに、愛犬が落ち着ける場所というものを意識する必要があります。
刺激が少ない場所を選んで、寝袋を置いてあげることによって落ち着ける場所を作ることができます。
直射日光など時間によって変化のあるものもあるので、ときどき見て場所を変えてあげましょう。
まとめ
今回は、「キャンプの際に愛犬の寝袋は必要なのか?」という疑問や「寝袋で寝てくれない時の対処法」について解説してきました。
キャンプでは疲れてしまう犬も多く、また夕方から朝方まで寒さが厳しくなる可能性もあるので、落ち着けてあたたかな犬用の寝袋はとてもおすすめです。
愛犬が寝袋に入ってくれないケースも多いですが、自宅で寝袋を使用して愛犬に慣れさせておいたり、季節に合った寝袋を用意するといった工夫を飼い主さんが行うことで、寝てくれる可能性を高めることが可能となります。
どうしても寝てくれない場合には、ドッグコットやクレートにクッションや毛布などをプラスして寝かせるようにしましょう。
愛犬の睡眠環境を向上させるアイテムは、ついつい忘れてしまいがちです。
事前に必要な物を書き出し、忘れずに用意するようにして翌朝も元気に過ごせるようなキャンプにしましょう!