キャンプという風景を連想したときに皆さまはどういう風景を思い浮かべますか?
焚火があり、お気に入りの椅子に座って日々の喧騒から離れ、ひと時の安らぎを享受する。一人でのんびり過ごし、頭の中を無にして空を見上げる。友人、家族と普段とは一味違う料理を堪能して談笑に花を咲かせる。皆様はそれぞれの風景をお持ちだと思います。
そんな一枚の風景の中に必ずと言っていいほど存在するものがテントです。
住んでいる家を離れ、草原や湖畔、森の中に降り立ちそこに一から居を構えて幾日かを過ごす。キャンプギアの中で最も大きく、誰の目にも映るテント。数あるテントの中から今回はZANE ARTS(ゼインアーツ)のPS-011/ギギ1というテントをご紹介します。
ZANE ARTS(ゼインアーツ)とは
長年アウトドアギアを企画開発してきた経験をバックボーンに、北アルプスの玄関口「長野県松本市」で ZANE ARTS は誕生しました。機能と藝術の融合をコンセプトに掲げ、アウトドア愛好家を確実にサポートする機能性と、自然との一体感を得られる造形を合わせ持つ、藝術性の高いプロダクツを目指すブランドです。名峰に囲まれた日本屈指のアウトドアフィールドで、時間をかけて丁寧に創り上げるスタンスは、日本のアウトドアシーンに新たなスタンダードを築きます。
公式サイト引用 – https://zanearts.com/
ゼインアーツのギアは機能性もさることながらまずシンプルな見た目。このスタイリッシュな見た目に惹かれた方が多いのではないでしょうか。筆者もその一人にあたります。笑
「日本のアウトドアシーンに新たなスタンダード」という最後の一文は伊達ではないと、使った者にはよく分かりました。
ZANE ARTS(ゼインアーツ) GIGI-1(ギギ1)の仕様・サイズ・別売アイテム
まず、ZANE ARTS(ゼインアーツ) GIGI-1(ギギ1)の具体的なスペックについて紹介していきます。
生地について
ファブリックにはポリエステルリップストップを採用。表面にシリコーン、裏面にポリウレタン(PU)を加工する事で、高いレベルの引裂強度と防水性能を実現しました。表面のシリコーン加工は、一般的に使用されるフッ素加工と異なり、生地に浸透する事で引裂強度を格段に高める効果があり、その結果、通常のテント・シェルター・タープに使用される素材よりも薄く軽い生地を選択でき、軽量で高強度の製品に仕上げる事が可能となりました。
耐水圧は、50D、75D共に1,500mmに留め、耐水圧(ポリウレタン)加工時の熱による生地劣化を抑え、引裂強度を維持しています。
フッ素は、生地表面に付着するだけなので、生地強度に及ぼす影響はありませんが、シリコーンは生地に浸透するため、生地自体の引裂強度を格段に高める効果があります。
公式サイトより引用 – https://zanearts.com/
スペックについて
本体
- 75Dシリコーンポリエステルリップストップ・遮光PU加工(耐水圧1,500mm)
センターポール×1
- A6061・φ30mm・全長220cm
エクステンションポール×2
- A6061・φ14.5mm・全長100cm
Vペグ×18
- ジュラルミン・17cm
4m2又ロープ×2
- ダイニーマ・リフレクター仕様・φ2mm
3mロープ×4
- ダイニーマ・リフレクター仕様・φ2mm
キャリーバッグ/ポールケース/ペグ・ロープケース×各1
- 150Dポリエステルオックス
本体サイズ(最大) 500×400×高さ220
収納時 68cm×20cm×20cm
重量 4.5kg
公式サイトより引用 – https://zanearts.com/
別売りアイテムのご紹介
GIGI-1に合わせて使える別売アイテムも販売されています。
・PS-111/ギギ インナーテント
・TO-052/アップライトポール150
こちらの別売りアイテムに関しては後程レビューと交えながら詳しく記述させて頂きます。
ZANE ARTS(ゼインアーツ)GIGI-1(ギギ1)特徴や使用感
それでは、ここから詳しくZANE ARTS GIGI-1のレビューをしていきたいと思います。
ポイントは以下の通り。
その独特な外見のデザイン性の高さ
コンセプトとして掲げている「機能と藝術の融合」に違わぬ使い心地。藝術性に関しては商品を見ての通りだと思います。スタイリッシュで洗練されたデザインは都会的でありながら自然に溶け込む。どこかコンテンポラリーな雰囲気があるように筆者は思った次第です。
ペグやロープの付属品もスタイリッシュ
ミニマリストやシンプリストが流行っている現代において非常にマッチしているカラーリングや質感。細かいところではありますがディティールまでこだわっているユーティリティーアイテムもこの商品の優れたところです。実はこういう細かいところでのポイントというのはギアを気に入る上で大事なものだと筆者は思います。
ペグ失くしたら泣きます。
跳ね上げポールでお好みのオープンスタイルに
ここでギギ1スペックの項目で紹介した別売りアイテムTO-052/アップライトポール150が出てきます。いくつかの使い方がありますのでその全てを見ていきましょう。
前側オープンスタイル
スタンダードな前側オープンです。出入りもしやすく解放感が出ていいですね。
2本のポールで跳ね上げてタープのように使うスタイル
このタイプが筆者の個人的な一押しになります。使えるスペースが一気に広がりキャンプの幅が広がります。見た目もこの形が一番美しいとうっとりしてしまうのは筆者だけなのでしょうか。嗚呼、美しや美しや。
前と後ろオープンスタイル
更に開放的になる全面後面オープンスタイル。風通しは抜群にいいのでまだ暑いという時期にお勧めです。テントの秘密基地感は薄れますが森の茶店の縁側で寛いでいるような雰囲気は味わえますよ。
ワンポールテントなのに広々とした空間
見た目の話が多くなってしまいましたが、機能性だって負けていません。どれだけ美しくても快適さが重要なのです。この見た目だからこそ備え付けられた機能美もご紹介します。
エクステンションポールでワンポールテントの欠点を解消
一般的なワンポールテントのデメリットである居住空間の狭さがこのテンションポールによって解消されています。ワンポールテントが地面を底辺に三角形を描いているのに対し、このギギ1はテンションポールを使用し地面を底辺に五角形を描いています。つまり天井に当たる二辺が鋭角にならないような工夫を凝らしているからこそこの高さが実現し、テント内での空間が確保できているのです。
フルクローズでも圧迫感なし
先ほど紹介したようにテンションポールで五角形になっているからこそのメリットの一つに隅のスペースがあります。テントの三角形の隅で顔をテントに押し付けながら眠るような窮屈なキャンプはやめにしましょう。五角形ならテントの隅にコットが置けます。コットが、置けるのです。それも二台置けるのです。圧迫感? 何それ?
上部にベンチレーターもありますので換気もバッチリできます。
軽量コンパクトで持ち運びや収納も楽
4.5kgでショルダーバッグぐらいの大きさになるので持ち運びには非常に便利です。シリコーンポリエステルの採用で同サイズのテントの中ではかなり軽い部類になります。車から離れた設営地へ運ぶ時にもこのサイズなら苦労はないでしょう。
このサイズのシェルターテントにしては良心的な価格
安すぎて何個でも買えちゃうぜ。という程安いものではありませんが価格は良心的です。サイズ、機能性も十分。拡張機能もありますので見た目で気に入ったという人でも手が出しやすい価格帯なのでは。
ZANE ARTS(ゼインアーツ)GIGI-1のここが惜しい!
どんなものでも完璧なものは存在しないものです。
少しだけ、ほんの少しだけですが気になった点もご紹介します。
スカート部分はついていない
冬場の隙間風は気になるかもしれません。完璧に風を抑えきるのは難しいでしょう。
スペック項目でご紹介した別売りアイテム、ギギインナーテントは暑い時はフルメッシュで、冷え込むときはフルクローズにできる優れものです。こちらのインナーテントは最初からあった商品ではなく、比較的最近に新しく加わったものになります。これから寒くなる季節にキャンプへと向かわれる方はこのインナーテントの存在もご確認ください。
黒くて細い付属のロープは日が落ちると見えにくい
夜半過ぎに尿意に目覚め、テントを出てすぐにロープに足を引っかけて転び、眼鏡が吹き飛び眼鏡を探す眼鏡がない状況に陥ったことはありますか?
筆者はあります。このロープはその危険を孕んでいますのでお気をつけあそばせ。それ以上に格好いいのでそれぐらいは気にならないという方も多いとは思いますが……。
まとめ
以上、今回はZANE ARTS(ゼインアーツ)GIGI1のレビューでした。
実はこの商品、発売開始と同時に売り切れになってしまうほど色んな人が注目していたテントになります。この商品に限らず発売予定が出ればその都度注目されているブランドです。まだ新進気鋭のブランドなのでこれから出てくるギアにも注目ですね。
今回のレビュー記事のGIGI-1に関してはかなりコストパフォーマンスに優れたギアだと思います。コンパクトで設営も難しくなく、拡張性も備えています。これから長く使うにあたって耐久性が試されますが、現状は何の問題もありません。
気に入ったものを長く使いたい筆者にとっては、飽きのこないデザインで快適に過ごせる機能が詰まったGIGI1は買って正解でした。
皆様もよければこの記事を参考にご一考くださいませ。